文具と雑貨のお店 プチチケット
petit-ticketで扱う商品をテーマにしたフィクションのショートストーリー。
〜petit-ticketのある風景〜
トマトパスタの日
「じゃあ、私達は帰るから。明日からがんばりなさい。」
そう言って夕方、両親は自宅へ帰っていった。
この4月から私は就職の為、実家を離れてひとりで住む事になった。
はじめての一人暮らし。
実家に居る時は、母の手伝いをしていたので、料理や家事は一通りこなす事ができる。
その時はかなり嫌々やっていたけど、今考えれば母に感謝しなければと思う。
二人が帰った後、改めて部屋を見渡した。
TV、冷蔵庫、ベッド、パソコン。目につくものはそれくらい。
金属ラックに段ボール製のケースが数箱。夏服やら本やらが分かれて入っている。
「なんか・・殺風景」
とても年頃の女の子の部屋に見えない。
しばらく考え、ケースの中からステッカーを取り出した。
引っ越す前に買っておいたものだ。
「tools」「shoe-stuff」「magazines」いろいろ使えそうな言葉が書いてある。
それらのステッカーを細心の注意を払い、オシャレに見えるように貼った。
パソコンや冷蔵庫にはハート型のシールを。
それだけでかなり私の部屋になった。
「これからヨロシクお願いします」
私は部屋に頭をさげる。
ぐぅ〜・・。
一人暮らし初日、記念すべき日の夕食は大好物のトマトパスタ。
”私の部屋”になったこの部屋で。
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嬉しいナヤミ
ショートストーリー
課長
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